竹内庭苑のお仕事話

庭師のNi-Wa SHIGOTO ~剪定と松 後編~

今月は、庭木の剪定方法について竹内社長にインタビューをしています。

庭のお手入れをお願いするこちらとしては
「良い庭の状態をなるべく長く保ちたい」「なるべく手間数を少なく」
と希望してしまいそうですが、相手は自然物。人間の思う通りにはなりませんね。強めに剪定すると3倍の速さで成長するなど、知らないことが多いです。今月は後編です。剪定の種類についてインタビューした前編はこちらから

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-お手入れ先の施主様宅では、松の剪定も行いました。

(竹内)松の剪定は、他の庭木と異なり特殊です。キレイに仕立てて管理するには、年月がかかりますし、熟練した職人でなければ難しいです。

-そうなんですね。造園の職人さんが松の木を剪定している姿は、「絵になる」というか、多くの人にとってもイメージされる姿かと思うのですが、熟練の技が必要なんですね。

(竹内)多くの樹種は、剪定や刈り込みで先端の葉を伐ってしまっても、残った枝から発芽します。ですが、松は、枝先に葉が残っていないと枝が枯れてしまうのです。

-伐り方によっては枝が枯れてしまい、そこから芽が出なくなってしまうということですね。葉を残して伐る。注意が必要になりますね。

(竹内)枝先に葉を残すことに加えて、丁寧に、一つひとつ枝の美観を意識しながらの剪定が必要です。切り落とす剪定とは異なる技法のお手入れも行います。

-勢いよく刈り込んでいくのとは、やはり違う印象ですね。繊細で「職人技」という言葉が思いつきます。どのような技法でしょうか。

(竹内)剪定とは異なる技法としては、春は【ミドリ摘み】を行います。芽のうち、一番勢いがあり成長した芽を春に摘み取ることで、側芽からの幼芽の発芽を促進させます。それにより、芽が全体的に調和のとれた生育につながります。

-一つひとつ手作業で摘むとなると、時間もかかりそうですし、どの芽を摘み取るか、判断も必要でしょうね。

(竹内)冬は幼芽を上手にのこしながら、松葉の【もみ上げ】を行います。手で松葉を触り、古い松葉を振るい落とすお手入れです。枝の数を増やし、亀甲模様のように枝を最長させていきます。

-手で触れて、振るい落としていくのは時間がかかりそうなお手入れだと思います。

(竹内)そうですね。今回は時間の関係上、もみ上げはせず、剪定のみ行いました。ミドリ摘み】で幼芽を上手に残しつつ、統一感のある【もみ上げ】を丁寧に行うことで、年月をかけて美しい枝ぶりに成長していきます。

-松のお手入れは特に美観を維持するために技術が必要だと感じます。

(竹内)松を管理するには、最低でも5年~8年以上の経験と知識が職人には求められると思います。

-最低でも8年。熟練の技ですね。ですが、熟練の技こそが、美しさを実現しているのが分かりました。松の木は、日本の庭ならではの庭木だと思います。日本風の庭園には必ず植わっているような印象です。

(竹内)松の木は、依代(よりしろ)の代表格です。昔から日本人は、松や杉、楠といった常緑樹を「神さまが舞い降りる依代」として大切にしてきました。神社ではご神木として大切にされています。そういったこともあり、日本庭園には欠かせない存在ですね。

―たしかに、神社の参道脇や境内には松が植わっていることが多いですね。

(竹内)お正月飾りや門松に用いられますし、長寿や夫婦和合の象徴としても植えられています。松は縁起の良い木です。手入れには長年の経験と知識が必要です、われわれも日々精進です。

-いかがでしたでしょうか。日本ならではの庭木「松」は、わたし達日本人の日常に幸や福を運んでくれるものなのかもしれません。
竹内庭苑では経験と知識を備えた職人がお手入れを担当させていただいてます。松の木の植栽を検討される方や、お手入れに分からないことがある方など、お気軽にお問合せください。