竹内庭苑のお仕事話

庭師のNi-Wa SHIGOTO#14~日本庭園の美しさ 後編~

今月は、新しい年を迎えるに相応しいテーマ、「日本庭園の美しさ」について、竹内社長にインタビューしています。
人が作る「庭」の中に、自然の景観美を創り出すのが日本庭園です。
植えられる樹木にもそれぞれ役割があるのです。前編はこちらです。

-樹木だけではなく、こういった岩があるのも日本庭園ならではだと思います

(竹内)日本庭園には【景石(けいせき)】という、加工をしない天然の岩や石が据えられることがあります。

-加工していない、人の手を加えていないとなると、庭のどこに、どのような向きで据えるのかが、全体の景観美から考えると重要になってきますね。

(竹内)庭全体で美しい山や滝を表現するために、という視点や、樹木の根元を安定させる目的で景石を配置していきます。樹木の安定という目的ですと、岩の景石ではなく、低木を植えることもあります。

-庭全体の景観のバランスという視点で考えたとき、他にも樹木や岩に役割を持たせることはありますか?

(竹内)【飛泉障りの木(ひせんざわりのき)】は、滝が落ち始める所を隠す場所に植えられます。これにより、より風情が生まれます。

-様々な役割を果たす樹木や岩などにより、全体としての景観美が生まれるのですね。植えられた後のお手入れ=剪定には、どのようなポイントがありますか?

(竹内)剪定には、切り透かした剪定と、刈り込んだ剪定があります。それぞれ樹種によってどちらを選ぶか、仕立て方が違います。また、人が仕立てた美しさと、自然に見える美しさを区別して手入れすることも重要です。

-確かに、すべてが作り込まれている状態はむしろ不自然で、生き物である樹木だからこそ、そのままの自然の姿が美しいということもあると思います。

(竹内)樹木の美しさも、陽の光や風といった、自然の条件で変わります。眺める位置、日の差し込み方、季節、時間帯など、さまざまな条件が重なることで、美しい景観に出逢うことができます

-誰もが得られるものではなく、その美しさとの出逢いは偶然のものであったり、二度とない美しさであるかもしれませんね。樹木の大きさや岩など、ダイナミックに見えますが、その実は、とても繊細で奥深いものなのかもしれませんね。

(竹内)そうなんです。庭師は、細かな所にこそ気を配り、年末は「気持ちよく新しい年を迎えることができるように」という想いも込めて、庭をお手入れさせていただきます。ご不明な点や気になることなど、ご遠慮なくお気軽にご相談ください。

-いかがでしたか。造園職人である庭師の仕事は、11月にご紹介した伐採のように一見ダイナミックに見えるものもありますし、「夕方の西日が差し込む一時の美しさ」を最大限に生み出すためにと繊細なものもあります。

2021年も大変お世話になりました。
2022年も、日本庭園を創り出す庭師だからこそ有している技や技術、知識と感性で、美しい景観を造り出していきます。
そして、美しい景観を造り出すことを通して、日本に暮らす多くの方々の心豊かな時間を創れるよう、日々精進していきます。