前編に引き続き、樹木の移植(移動)について、竹内社長にインタビューをしています。前編はコチラからご覧いただけます。
-移植をご依頼いただく場合は、どのような場合が多いのでしょうか
竹内:ご自宅のリフォームや建て替えをされるタイミングにある方が、残せる樹木は残したいから、という理由で移植をご要望いただく場合もございます。「先代が大切にしていた樹木だから御自分の元で残したい」と、ご要望も多いですね。

-樹木は鉢植えなどの植物と違い、長い年月を掛けて生育していくものですから。年月の長さの分、施主様の想いも深いものがあるかもしれませんね。ご要望いただく場合もあると思いますが、プロの視点からみて、「移動をさせた方が良い場合」はありますか?
竹内:移植をさせた方が良い場合は、あります。樹木には、【陽樹】と【陰樹】の種類があります。生育に適した日光量の違いで区別されています。たとえばアオキという樹木は【陰樹】の仲間で、生育に必要な日光量は比較的低い樹木です。にもかかわらず、日当たりのよい場所に植わっていると、傷みやすくなります。こういった場合は、移植をさせた方が良い場合にあたりますね。
-日当たりの違い以外にも考える要素はありますか?
竹内:土壌の温度も考える必要があります。花壇の土壌は地熱が高くなる傾向がありますので、別の場所に移植を検討された方が良いこともあります。土壌の温度だけでなく、乾燥や湿気の状態も生育には影響します。それらを踏まえて、移植をした方が良い場合もあります。
-そうですか。様々な環境要素を考慮して、さぁ、移植をお願いしたい、となった場合、作業時間や費用は、どれくらいになりますか。
竹内:樹種や樹木の状態により、移植の技法が変わります。【溝堀り式】【断根式】【追い堀】【ふるい堀】など幾つかの技法の中から適切な技法で行いますが、作業時間や費用は樹種の大きさや植わっている場所、土壌の条件によって変わります。

-これまでの社長が関わってこられた中で、注意点はありますか。
竹内:ご要望にすべてお応えできれば良いのですが、移植しても活着しない場合もあり、樹木にとってリスクのある技法であることも事実です。費用の面で考えると、新しい樹木を植える方がお安く済む場合がほとんどです。まずは、信頼できる造園会社に見積もりの依頼からお勧めします。