今月は、「始めよう 庭造り」と題して、ご自宅の庭を新たに造るとしたら、どのように工程が進んで行くのかを竹内社長にインタビューしています。前編はこちらです。
-前編で紹介の「打ち合わせ」を経て、②全体のデザインと植木の選別、へと進みます。樹木を植える時、最近では「シンボルツリー」として、印象的な樹木を庭に植える方もいらっしゃいますが、植木を決めるにあたりポイントはどこでしょうか。
(竹内)お打ち合わせをもとに、生活スタイルと庭全体のデザインに合った性質の樹種を選び、ご提案させていただきます。植物は何十年もかけて成長し大きくなっていくものです。その点をふまえ、植える場所に合わせてご提案しています。広い空間なのか、狭い空間なのか、植樹後も視野に入れて樹種を選び植えていきます。

-確かにそうですね。今日明日の変化は見られなくても年月を経ると大きくなっていきますね。シンボルツリーはお子様がいらっしゃる家庭などは、お子さんの成長とともに大きくなっていくのも感慨深いものがありそうです。比較的選ばれているシンボルツリーについて、教えていただけますか。
(竹内)人気の樹種では、シマトネリコ、モミジ、ヒメシャラ、アオダモ、ハナミズキ、ヤマボウシ、オリーブ、などでしょうか。これらの樹種は育てやすく、管理も容易です。
横に広がりやすい樹種(オリーブなど)
縦に大きくなる樹種(シマトネリコなど)
紅葉がきれいな樹種(モミジなど)
花が綺麗な樹種(ヒメシャラ、アオダモなど)
害虫に強い樹種(アオダモなど)
生き物ですので、人と同じように個性も様々です。植える場所を考慮し、どの樹木にも、必ず、メリットとデメリットがあることを踏まえて選ぶのが重要です。

-自然も人と同じように、変化するのが言わば当たり前ですからね。こうして全体のデザインと植木が選別できたら、③工事ですね。工事はどのように進んで行きますか?
(竹内)庭工事、そして外構工事が完了後、順番に植えていきます。高木 → 低木 → 下草 → 芝張り、という順番です。完了すると、潅水(かんすい)と清掃を行い、完了となります。



-実際に工事の段階に入ったら、依頼する側としては一安心ですね。あとは、引き渡しを待つばかり。胸が膨らみますね!
(竹内)そう思われますよね。植物が徐々に植えられて行ったり、石組みなども完成し、無事にお引き渡しで「ようやく!完成した!」と思われる方も多いと思いますが、造園工事で実は一番気にしていただきたいのが、引き渡し時点で完成ではない、ということなんです。④引き渡し後に気に掛けることも大切にしていただきたいと思います。
-引き渡しで完成ではないのですか!それは考えもしませんでした。具体的にはどういうことでしょうか。
(竹内)植栽で見落とされがちなことに、土壌の状態があります。せっかく植えた植物も土壌が悪いことにより生育不良になり、それが原因で病害虫などの弊害を誘発しやすくなります。引き渡し後の様子の確認は多くの方が見落としがちです。ぜひ、その後の日々の生活の中で、庭木の状態を気にかけてもらいたい点です。

-なるほど。暮らしていく中で植物の生育のほかに、目を向けてみると良い点はありますか?
(竹内)そうですね。日本は高温多湿な気候です。それにより、石材や素材も経年で風化し、景観に変化を与えて行きます。季節を重ねるごとに味のある風合いになります。この点も楽しんでいただけると良いと思います。