私の好きなCMです。

日本の伝統美が凝縮されています。映像も音楽もすばらしい!

このままカラオケへ行って、冷酒を飲みつつ、この曲、安全地帯「あの頃へ」を熱唱してもいいのですが、今日は樹木の話です。

 

出典:wikipedia月桂冠 (企業)

月桂冠(ゲッケイカン)、月桂樹(ゲッケイジュ)の葉で作られた冠で、勇者や優れた芸術家の頭に飾られてきました。

この方は、古代ローマの偉人、ジュリアス・シーザー。「ブルータス、お前もか!」の言葉で知られています。頭に注目してね!

ゲッケイジュの花と葉です。

こちらは実のアップ。

ゲッケイジュは別名、ローリエ、ローレル、またはベイリーフなどといわれ、カレーやポトフ、マリネなどのお料理で、消臭・香り付けとして使われています。これね。

 

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さて、料理つながりで行くと、次はこれでしょう。

 

オリーブオイルです。

オリーブの実をしぼって取ります。エクストラバージンオイルとか・・・。

オリーブの実と葉。

オリーブは世界で1000種類以上の品種があるといわれています。日本ではオリーブといえば小豆島のイメージですね。

花はこんな感じ。

それはそうと、東京オリンピックが2年後に迫ってきました。この猛暑の中で競技や応援が行われるとは、何ともお気の毒なことです。

実は、正式にはオリンピックの勝者に贈られる冠は、月桂冠ではなく、オリーブ冠なのを知っていましたか。「オリンピックだから、オリーブ冠!」なんちゃって・・・。

まあ、「優れたものに授与する」というコンセプトは、同じわけですから、ここはどちらでもいいのか、今はそれぞれの大会によってアバウトに使われています。

出典:wikipediaマリアンヌ

この方は、フランスの象徴マリアンヌさん、手に持たれているのはオリーブです。オリーブには勝利のほかに平和の意味もあります。

 

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ではそろそろ、理科系的に、オチと行きましょう。

問題です。

ある人がいいました。

「オリーブとゲッケイジュは何となく似ている。同じ種族じゃないだろうか?」「たくさんあるオリーブの一種がゲッケイジュだろう。」

みなさんはこの人の考えをどう思いますか? 〇か✕でお答えください。

 

 

オリーブもゲッケイジュも原産は地中海沿岸、と書かれている資料が多い。また、どちらも葉の表面がやや硬くできていて、「硬葉樹(こうようじゅ)」と呼ばれるグループに属します。これは、夏、雨が少なく乾燥する「地中海性気候」に適応したと考えられている・・・。

しかし、答えは✕です。

オリーブはシソ目「モクセイ科」の樹木です。

モクセイ科には、キンモクセイ、シマトネリコ、ジャスミン、ヒイラギ、ライラック、レンギョウなどがあります。花がいい香りのものが多い。これはキンモクセイ、花の形がオリーブに似ています。

出典:フォト蔵

 

一方、ゲッケイジュはクスノキ目「クスノキ科」の樹木です。

クスノキ科には、クスノキ、タブノキ、シナモン、クロモジ、ニッケイ、アボカドなどがあります。葉や樹皮がいい香りのものが多い。次は珍しいところでアボカドの実、花、葉の画像。

 

ところで、オリーブとゲッケイジュを区別するには、実物を見て、触って、葉をちぎって匂いをかいでみればいい(甘い香りがすればゲッケイジュ)のですが、いちおう樹木の傾向と葉の付き方でざっくり比較してみると・・・

㊨出典:フォト蔵

㊧オリーブ・・・・・日なたを好む陽樹、葉の付き方は対生。

㊨ゲッケイジュ・・・日かげを好む陰樹、葉の付き方は互生。

オリーブが明るい太陽なら、ゲッケイジュは渋い月のイメージなのかもしれません。

ではおしまいに、大会の入賞メダルなどにデザインされている月桂冠とオリーブ冠を見ていただきましょう。どっちがどっちなのか、みなさんもうおわかりですか?

 

(おしまい)

追伸

答えを調べるのにこれを見られた方がいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

正式な月桂冠のマークは会社のホームページ、ツイッターでは以下のようになっていますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

出典:月桂冠