01)

私たちスズメの夫婦です。

今回、MCをつとめます。

 

 

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僕、おなかがすいたぁ。

そうねぇ、私も。

 

 

 

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おっ、ミミズだ。

いただきまーす。

 

 

 

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そういえば、ミミズっていい土を作るんだよなぁ。

ミミズがいる土ってよく肥えているとかいうわね。

 

 

 

01)

ところで僕たちは夫婦で、オスとメスだけど、

ミミズってオスとメスがいるのかな?

㋐オスとメスがいる。

㋑オスとメスがいない。

 

 

 

01)

㊧の太いのがメスで、㊨の細いのがオス…

というのはウソでーす。

ミミズは「雌雄同体」(しゆう・どうたい)なのでオスとメスに分かれていません。

1匹のからだに精子をつくるところと卵をつくるところを持っています。だから正解は㋑です。

 

 

 

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変わってるわね。雌雄同体だなんて。

ほかにはいないのかしら?

ウソをつくと舌切りスズメにされちゃうから、もうウソはナシよ。

はーい。

 

 

 

01)

カタツムリが雌雄同体だよ。

カタツムリもオスとメスに分かれていないんだ。

私たちがふだん見てるのは、雌雄同体の一種類だけなのね。

 

 

 

01)

動物では「雌雄同体」はめずらしいんだけど、考えてみれば植物では普通よね。

植物では「両性花」(りょうせいか)といわれている。一つの花におしべ・めしべ両方があるからね。

樹木ではツツジやサクラ、リンゴなど、両性花はたくさんあるよ。

 

 

 

01)

カボチャやズッキーニはどうなの?

両性花と違うみたいだけど…

じゃ見てみようか。

 

 

 

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㊧カボチャの雌花(めばな)。

花の下には丸いカボチャの赤ちゃんがついていて、花の中はめしべだけがある。

㊨カボチャの雄花(おばな)。

花の下には何もなくて、花の中はおしべだけがある。

一本の株で雌花と雄花に分かれて咲いているのね。

 

 

 

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ズッキーニの一株とそのアップ。

横向きの雌花にはズッキーニの赤ちゃんがついている。

上向きの雄花はひょろっとして何もついていない。

これを「雌雄同株」(しゆう・どうしゅ)といったりするんだ。

樹木では、マツやカキ、クリなどがそうだよ。

 

 

 

01)

動物の「雌雄同体」が、植物の「両性花」や「雌雄同株」ってことでいいかしら?

いいよ~。

 

*      *      *

 

そろそろオチにしましょうよ。

そうだね。

01)

ところで、私たちみたいに「オスの木」「メスの木」ってあるのかしら?

「雄花だけある木」「雌花だけある木」ってことかい?

うん。

 

 

 

01)

 

01)

まずは、イチョウはどうかな?

中国原産の裸子植物で落葉性の高木だよ。予想してみて。

㋐オスの木・メスの木がある。

㋑オスの木・メスの木はない。

 

 

 

01)

どちらもイチョウの木だけど、

㊧が雄花だけがある「オスの木」、

㊨が雌花だけがある「メスの木」。

正解は㋐になります。

 

 

 

01)

 

ちなみに、銀杏(ぎんなん)はメスの木だけでとれるんだ。雌花でできるタネが銀杏なんだよ。

銀杏のにおいが苦手ならオスの木だけを植えればいいのね。

 

 

 

02)

つぎにカツラはどうかな?

カツラ(桂)。カツラ科カツラ属の落葉高木で、学名はCercidiphyllum japonicum.

昔、「愛染桂」(あいぜんかつら)という人気ラブストーリーで有名になった樹木だよ。

 

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それはともかく、葉っぱはハートの形をしていて、とても香りがいいわね。

では、カツラの予想です。

㋐オスの木とメスの木がある。

㋑オスの木とメスの木はない。

 

 

 

03)

どちらもカツラの木なんだけど、

㊧は雌花だけがある「メスの木」、

㊨は雄花だけがある「オスの木」、

と別々の木に分かれている。正解は㋐になります。

 

 

 

03)

メスの木の雌花ではやがて実(㊧)ができて、タネ(㊨)が取れる。

オスの木ではいくら待っても実やタネはできないというわけね。

イチョウやカツラのように、メスの木・オスの木に分かれている植物のことを「雌雄異株」(しゆう・いしゅ)といっているんだ。樹木ではほかに、ヤナギ(柳)がそう。

そういえば、アスパラガスも雌雄異株だってきいたことあるわ。気づかずにどちらかの株を食べていたのね。

 

 

雌雄異株は植物では少数派だけど、動物では多数派だよ。(動物では「雌雄異体」という)

動物は「雌雄同体→雌雄異体」と進化してきたんだけど、その最先端にいるのが哺乳類、鳥類、昆虫類なんだ。

一方、植物は「両性花→雌雄異株」「雌雄同株→雌雄異株」と進化してきた。「雌雄異株の植物」は現在まだ少数だけど、これからもっと出てくると考えられている。

雌雄異株の植物は、動物でいえば「人間、鳥、昆虫」に近づいているということね。

なんか親近感がわいてきたなぁ~。

 

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おしまーい。

 

【出典】

01)Pixabay

02)Wikipediaカツラ (植物)

03)Wikipedia Cercidiphyllum japonicum

利用させていただきありがとうございました。