1)
カナダの樹木といえば・・・
1)
メープル(サトウカエデ)でしょう。
1)
北欧フィンランドの樹木といえば・・・
1)
バーチ(シラカバ)になります。
1)
㊧サトウカエデ(砂糖楓)、ムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹。
㊨シラカバ(白樺)、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹。
どちらも温帯から亜寒帯地方に多く見られる。
1)
雪解け・早春、サトウカエデの林にて。
おや? 何をやっているのでしょうか。
1)
樹液をとっています。
サトウカエデの樹液、メープルウォーター。
1)
メープルウォーターが取れるのは、
春先、わずか3週間のみ・・・
これを煮詰めると・・・
1)
メープルシロップになります。
1)
ワッフルにメープルシロップ。
それならシラカバはどうでしょう?
白樺のシロップってあるのでしょうか?
2)
おっ! やってる、やってる。
早春の樹液取り。
3)
岩手・平庭高原のバーチウォーター。
北海道はもちろん、長野のシラカバ林でも樹液を取っています。
4)
長野・八千穂高原のバーチシロップ。
大人の甘さ・・・
5)
バーチウォーターとメープルウォーターのセット。
どちらも北海道・ニセコ産。爽やかで、ほのかに甘い。
では、そろそろオチといきましょう。
㊧1) ㊨6)
㊧シラカバ、㊨サトウカエデ。
そもそも、この時期だけ取れる白樺やカエデの「樹液」って何でしょうか?
㋐道管を流れる液(根から吸ったミネラル・養分がとけている)
㋑師管を流れる液(葉で作った糖がとけている)
㋒その他( )
では、ヒントを少し。
幹を斧で切っていくと・・・
1)
①外樹皮 ②内樹皮 ③辺材 の順に現れてきます。
輪切りにしてみると・・・
1)
道管があるのは③の辺材、師管があるのは②の内樹皮です。
では、そろそろ答えといきましょう。
答えは㋐、道管を流れる液です。
冬、葉がないので落葉樹は光合成しません。だから糖を作りません。夏に蓄えた糖を細々と使って休眠状態に入っているのです。
早春、0℃を行ったり来たりする特有の温度条件になると、根は大地から水分を吸い、その水分が夜間に道管内を上がってきます。
その樹液が昼間暖かくなるとあふれてくる。それが白樺水やカエデ水なのです。
だったら、なぜ甘いのでしょうか?
根から吸った道管液なのに・・・
1)
水は0℃で凍ります。甘い液は0℃で凍りますか?
凍らないのです。
寒い冬、樹木は凍らないようにデンプンを糖に変えて、細胞内の糖度を高めているのです。これは冬野菜が甘くておいしくなることに似ています。
そして・・・
早春、細胞内の糖が道管へ溶けだしてくる。
1)
樹木は根から吸い上げた大量の水とともに、糖を樹全体にゆきわたらせ、春に芽吹いてくる葉のための準備をしていたのです。
メープルウォータ―は樹木からのおすそわけ。
樹木はきっと、生きているダムなのかもしれません。
ー おしまい ー
【出典】
1)Pixabay
2)Picuki
3)ippin
5)minne