竹内庭苑のお仕事話

庭師のNi-Wa SHIGOTO#23~御簾垣 前編~

みなさん こんにちは

今年の5月の茅ヶ崎は、上旬の長い連休の後、一週間ほど曇りのお天気が続きました。梅雨入りした沖縄よりも、一日の日照時間が短い日も。
曇りの日に紫陽花を眺めると「梅雨近し」と季節感を色濃く感じる一方で、
晴れると若葉の鮮やかさにハッとします。
植物の魅力はお天気によって異なりますね。

そんな中、今月は、庭木のような植物ではなく、御簾垣(みすがき)施工をさせていただいたお話しです。
和風庭園ならではの施工の一つだと思います。
見た目の玄人感は目を見張るものがありますが、馴染みが薄いため知らないことも多いです。竹内社長に質問していきました。

-まさに和風庭園の施工だと思います。おそらく竹で出来ているのだろうと推察するのですが、近寄って目にしたことがありません。

(竹内)最近はプラスチック素材を使用したものもありますが、基本的な材料は竹です。プラスチック素材のものは劣化しないため長持ちしますが、本物の竹の劣化は庭の“わびさび”を演出してくれます。劣化していくことで味わいが増し、雰囲気が出るのです。

-たしかに。人工物は近寄って見れば、見た目から「本物ではない」と判別できると思います。「味」は時の経過とともに変化することでしか生まれないですね。とは言え、自然物となると、虫がわかないか、朽ちてしまうことはないか、気になるところではありますが。

(竹内)
それが、実際は、虫がわく心配は、ほぼありません。柱材には防腐処理を施しますし、組み合わせている竹も焼きを入れた防腐処理をしています。竹そのものも、虫がわくことはほとんどないと考えていただいて大丈夫です。竹は繊維質が強い素材のため虫にも強いのです。

柱材を植えこむ様子です。柱材と横に渡す竹とで御簾垣は出来上がっています。
-そうなんですね!ということは木の生垣よりも虫の心配も少なそうですね。
今回の施工は施主様のご希望だったのでしょうか。こちらからご提案させていただいての施工でしょうか

(竹内)
施主様からのご希望です。家の建て替えを機に、元からの日本庭園を活かした眺めを和室から楽しみたいとのことで、お隣りとの境界部分を御簾垣で仕上げるご要望をいただきました。
竹垣には、様々な種類があります。高さや竹同士の組み合わせによって、完成形が異なります。

-一般的なイメージでは、施工の御宅のような竹垣ですが、他にも種類があるんですね。
岩やツツジの美しさが、御簾垣により映えます

(竹内)こちらの竹垣は建仁寺垣といいます、丸竹を使用した目隠しの要素が強いですね。
他には、竹を格子状に組み上げる「四ツ目垣」
四ツ目垣の高さを低く組み上げ、最上部に玉縁を横に走らせる「金閣寺垣」
竹を菱形に組み上げつくられる「龍安寺垣」などがあります。

-お寺の名前がついたものが多いですね。お寺の庭は、わたし達が身近に感じられる日本庭園ですから、竹垣は、その中で時間をかけて生み出された日本文化の一つであることを、改めて気づかされました。後編は、御簾垣の利用で気になることなど、さらに竹内社長に質問していきます。お楽しみに♪

~後編はこちらです~