1)
ん? これは何でしょう。
1)
キャベツではありません。
1)
チョウのハネです。
1)
では、これは何でしょう?
1)
葉の標本ではありません。
1)
トンボのハネです。
1)
葉にもハネ(翅)にも、脈が走っています。
それで、この脈のことをそれぞれ、葉脈(ようみゃく)、翅脈(しみゃく)と呼んでいます。
1)
樹木と昆虫、植物と動物、異なる2つの生物ですが、葉とハネは、なんとなく似ています。
これは偶然でしょうか?
1)
葉脈は1本の管に見えます。
しかし実際は2種類の管が通り、それらは葉から幹を経て、根までずーっとつながっています。
それらが道管、師管です。
1)
道管には根ですった水と養分が流れています。師管には葉でつくった栄養が流れています。この2つの流れる向きは上下、正反対です。
1)
一方、翅脈はというと・・・
ハネの翅脈には何が流れているのでしょうか?
それとも何も流れていないのでしょうか?
1)
翅脈の中は空気が流れています。
1)
翅脈の中心にはガス管が通っていて空気が流れ、そのまわりは水と栄養分で満たされているのです。
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そのガス管は「気管」と呼ばれています。気管をたどっていくと、ハネの付け根から体の中を通り、お腹にある穴までつながっています。
では、そろそろオチといきましょう。
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キャッツアイに注目!
血管が見えています。
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猫も人間も血管に血液が流れていて、栄養分と酸素を運んでいます。動脈と静脈をつなぐのが毛細血管で、目でそれを見ることができます。
毛細血管、気管、道管。
実は、これらは同一人物によって確認・発見されました。彼の名はマルチェロ・マルピーギ(1628-1694)。300年以上前のイタリアの学者です。
彼は動物の毛細血管を確認した後、「見た目は違っていても、生物は共通の管でできている」という予想を立てて顕微鏡で次々と確かめていったのです。
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植物の葉、昆虫のハネ。
どちらも、進化の過程で内部に隠れていた管がのびてきて、そのあと膜がついて葉、ハネになりました。
だから似ているのです。
ー おしまい ー
【出典】
1)Pixabay