1)
疲れると行きたくなるところ。
岩手、遠野、カッパ淵。
遠野物語の世界がここにある。
2)
城址公園に登れば、
遠くの山々まで見渡せる。
2)
本丸址。
ここはサクラ広場になっている。
3)
おや? これは何だろう。
サクラについた謎の「球体A」
鳥の巣、木の病気、それとも・・・
似たのがあった!
ん? 下に穴らしきものが見える。
鳥の登場!
鳥の巣には穴がある。
3)
なので、
遠野で見つけた謎の球体Aは、鳥の巣ではない。
中身がつまってるし・・・
4)
じゃ、これかな?
他の場所のサクラに、
同じようなものを見つけた。
4)
これを「球体B」としよう。
「球体B」のアップ。
5)
「球体B」はサクラの細かい枝が
異常に密生してできている。
そして・・・
6)
しばらくすると、枯れてしまう。
さらに・・・
7)
その枝を切り落とさずにほっぽっておくと、
「球体B」だらけになって、その樹木は枯れる。
これは樹木の病気で、「てんぐ巣病」と呼ばれる。
昔の人は「球体B」を「鳥の巣」ではなく、「てんぐの巣」に見立てたのだ。
実際はサクラがT. Wiesneriという子のう菌類に侵され、サイトカイニン(成長ホルモン)異常分泌で、側枝が一か所にたくさんできてしまったもの。
T. Wiesneriは、カビのなかまだから、菌糸や胞子で増えていく・・・
* * *
3)
遠野の謎の「球体A」にもどろう。
8)
秋になってサクラの葉が色づき散ってしまっても、
謎の「球体A」は緑のまま生きつづける。
サクラは落葉樹、球体Aは常緑樹?
9)
球体Aのアップ。
ごちゃごちゃしているが、
葉は肉厚で細長く、サクラの葉とは違う。
10)
球体Aの若いころのアップ。
サクラの枝から直接生えている。
球体Aの正体は・・・
「ヤドリギ」
ビャクダン科、ヤドリギ属、常緑の灌木(かんぼく)。
半寄生性で、他の樹木の枝に生育する。
ヨーロッパおよび西部・南部アジア原産。
11)
半寄生ということは、
葉で光合成をして、糖は自分で手に入れるが、水分・養分はサクラからもらっている、ということです。
ここで、
菌根菌、 例えばマツタケは、糖はマツからもらうが、水分・養分は自分で手に入れている、ことを思い出す。
つまり、
ヤドリギとマツタケは逆のことをしている・・・
それなら、ヤドリギには根があるのか?
樹木の断面を見てみよう。
12)
ヤドリギの根がミズナラ(ブナ科、落葉広葉樹)の枝に食い込んでいる。
根は道管を突き破って中心へ向かっているが、お互いの組織同士は一体化しているようにも見える。
こうやって水と栄養を吸収しているのか・・・
㊧10) ㊨13)
㊧ヤドリギの果実、㊨着枝した種子。
果実は液果で、中に数個の種子が入っている。
種子は粘液質の果肉に包まれ、鳥が食べても粘液質は消化されず、糞が粘って木の枝に種子が粘り着いて散布される。
実にうまくできている・・・
では、そろそろエンディングといきましょう。
ヤドリギのある風景。
ここは東欧、はるか遠いポーランドの川辺。
なぜか、遠野みたいに懐かしい気持ちになる。
※ポーランドの国名の「ポルスカ」は、
「野原」を意味する「ポーレ」が語源と言われている。
ーおしまいー
【出典】
10)木のメモ帳