みなさん、こんにちは
11月と12月は、造園業の未来と竹内庭苑としての取組みについて、竹内社長のインタビューを2回に分けてお届けします。
緑や自然が今後は、個(=個人の庭)で楽しむものから、大衆(=都市デザインや都市景観)で楽しむものへと変化を遂げていくのでは、と考える竹内社長ですが、 その中にあっての竹内庭苑についてインタビューしています。

―造園業界も他の建設業と同じように、働き手不足や高齢化が問題となっています。竹内庭苑の特徴はどんな点にありますか

(竹内)

 建設業は縦社会で厳しく、仕事は上の人から指示され、ルールを押しつけられるという印象があるかもしれませんが、竹内庭苑は違います。従業員さんに対して、できる限り主体性を持つことができる運営を心がけています。個人の働き方やライフスタイルに合わせた、柔軟な運営を目指しております。

-入社して間もない職人さんからも「抱いていた造園会社のイメージと違い、親切に教えてくれる」という声をいつも聴きます。

(竹内)

 従業員さんが主体的に考え動く仕組みが作られ始めているのも、竹内庭苑の特徴だと思います。

「会社はみんなで作っていく」と考えています。ラオス支社の事業のために私が日本を離れていても、お客様のご希望に応え期待を超える仕事を当たり前に行えるように、日本の従業員さん達が、日々頭を捻りながらも頑張ってくれています。

経営会議では私も意見やアドバイスを行いますが、幹部のみなさんが中心となって、お客様満足と技術の向上など、竹内庭苑としての方針と取組みを決定し進めています。

従業員全員が参加する年次会議の一コマ
 
―社長の目には、日本の皆さんの働きぶりはどのように映っていますか。

(竹内)

 みなさん、自分で考える力、主体的に取り組む力、問題解決能力など、本当に成長していると思います。経験をしているからだと思います。今までは僕からのプレッシャーを感じ、やらされ感の中で仕事をやっていた部分もあったかもしれません。ですが、今は自分の事として「やらなきゃいけない」と取り組んでいるのだと思います。みなさん前向きにやってくれています。

 創業から数年間は自分もワンマンで引っ張ってきました。挑戦も失敗もありながら勉強してやって来ましたが、経験したから出来るようになったことがたくさんあります。

 いつまでも「社長がやった方がいい」と自分が全部やってしまっていたら、社員のみなさんの成長はありません。お客様に迷惑をかけてないか、ご満足いただけているのか、確かに不安もありますが、竹内庭苑として今後も引き続きご満足いただける品質で仕事を行っていくためには、今の時期は経験を積み力をつけることも必要だと思います。落としてはならない点は必ず自分がフォローしますが、みなさんを信じて見守るスタンスです。

ー職歴や社歴に応じた職人さんの人材開発という点ではいかがですか

(竹内)

 仕事の楽しさを感じてもらうフェーズから、厳しさや難しさも経験するフェーズ、現場での経験から学び、より高度な技術を身につけていくフェーズと段階があります。ですが、直ぐに結果が出るものではないのも事実です。5年10年と時間が必要な部分もありますが、その人がどのフェーズなのかを起点に考えるのが大切だと思います。

刈払い機の社内研修の様子

―造園業が今後は、ランドスケープや都市デザインの領域でも重要な役割を果たしていくだろう点を踏まえると、職人として身に着ける力や必要な力は何にあると思われますか。

(竹内)
デザインに関する知識や能力も、今後は重点を占めると思います。今、委員会を立ち上げ、花博(GREEN EXPO 2027)への出展の準備を進めています。みんなでデザインを考えます。僕がやってしまったら、みなさんの成長につながりません。挑戦する機会をつくることが大切だと思っています。

―時代背景とともに発展してきた造園、という軸に立ち返ると、竹内庭苑としての今後の新たな価値提供は、どのような点にあると考えていますか。

(竹内)
 お客様からのニーズを念頭に置かなければビジネスとしては成立しませんが、「~しなければならない」という概念を崩してこそ、新しいサービスが生まれると思っています。

 何を目指すのかは、社員皆が自由に主体的に考えていくことです。その点が決まると、「こういう技術が必要だよね」「こういうことも勉強しなくちゃね」と、アンテナが立つと思います。

 アンテナが立っても直ぐに力がつくわけではありません。アンテナを活かして、継続的に情報収集し、技術の向上に地道に取り組めば、高度な専門性は難しくても平均以上の力は身につくと思います。植物を扱う造園の仕事は、これからも人に喜ばれる仕事であることに変わりはありません。社員みなで興味と自信をもって、新しいチャレンジをしていきたいです。