「アブラカタブラ~」
一説によると…
「災いよ消え去れ~」
の意味だという。
01)
たき火をすると…
02)
黒い「すす」がつく。
たき火をしなくても…
03)
「すす」がつく?
03)
「すす病」
すす病菌(カビの一種)が植物の上で増えることで発症する。葉が黒い「すす」で覆われたようになる病気。
植物の成長が遅れ、枯れたりする。春になると発生してくる。
では、ここで問題。
「すす病菌」は春になると、あるものをさかんに食べて増えてきます。
そのあるものとは何でしょう?
ア.やわらかい葉
イ.生物の死がい
ウ.その他( )
03)
黒いのは、すす病菌。
では、白っぽいのは?
04)
キミはだれ?
01)
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「アブラムシ」(油虫)
カメムシ目、アブラムシ科の昆虫。
アリマキ(蟻牧)とも呼ぶ。吸汁性害虫。春に大量に発生する。
ということは、
すす病菌はアブラムシの死がいを食べているのでしょうか?
05)
「甘露」(かんろ)
植物の樹液を吸うアブラムシなどが分泌する、甘くてベトベトした液体。
この甘露をすす病菌が食べ増えたのです。
ですから「すす病」をなくすには、「アブラムシ」をどうにかしなくてはいけません。
05)
アリはアブラムシのボディガード。報酬は甘露。
* * *
06)
とあるアブラムシの集団。
06)
おや? 少し変わった色のやつがいる。
06)
大人㊧と子供㊥は体がやわらかい。
ところが、㊨の体はかたくなっている。
このかたくなったアブラムシは「マミー」と呼ばれています。
この「マミー」って次のどの意味だと思いますか?
ア.おかあさん
イ.さなぎ
ウ.ミイラ
※マミー(mummy)という単語は、ア~ウのどの意味にも使います。
かたいアブラムシは、まわりのアブラムシの母親ではないのでアは✕。
アブラムシは「さなぎにならない昆虫」なのでイも✕。
正解はウの「ミイラ」です。
このアブラムシは何者かにミイラにさせられてしまったのです。
犯人はいったい誰なんでしょうか?
犯人を見てみましょう。
07)
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「アブラバチ」(油蜂)
ハチ目、アブラバチ科の昆虫。
アブラムシに寄生する蜂で、アブラムシの天敵。
08)
アブラムシの体内に産卵するアブラバチ。
アブラバチの幼虫は、外の皮だけを残してアブラムシの体内を食べ尽し、アブラムシを死亡させる。そのとき、アブラムシの外の皮はかたくなり、ミイラ=「マミー」に変化する。
幼虫はマミーの中でさなぎ、成虫へと成長し、成虫はマミーに丸い穴を開けて脱出する。
* * *
それなら…
アブラバチをうまく使って、アブラムシをやっつけ、すす病をなくすことができないだろうか?
このやり方を“バンカー法”という。
バンクは銀行。バンカーは、お金「マネー」をあずかって運用する銀行家。
ここでは草がバンカーの役目をして、アブラバチの入った「マミー」をあずかって、樹木にいるアブラムシをやっつけた、となるわけです。
要は、害虫が来ることを想定して、あらかじめ害虫の天敵をまわりに飼っておいて(待ち伏せていて)、害虫が来たらやっつけるという作戦です。
「アブラカッタアブラ~」
一説によると…
「油蜂かった油虫に~」
の意味だという。
ー おしまい ー
【出典リスト】
01)Pixabay
02)写真AC
03)Flickr(photo by Scot Nelson)
05)Wikipedia Honeydew (secretion)
07)YouTubeマミー化したアブラムシから寄生蜂(アブラバチの一種?)が出てくる様子
※以上、使わせていただきありがとうございました。