ヨーロッパ、オークの森にて。
多くを語らず・・・
オークの葉。
オーク(Oak)はブナ科、コナラ属の広葉樹。日本名はヨーロッパナラ(欧州楢)。
カシワの葉に似ている・・・
1)
カシワ(柏)。
オークと同じくブナ科、コナラ属の広葉樹。柏餅の葉として使われる。
ふたたび、オークの森へ。
2)
おや?
地面に何かあります。
取ってみましょう。
3)
これは何でしょう?
㋐木の実
㋑動物の糞
㋒その他( )
半分に切ると・・・
食べると・・・
2)
トッピングは、トリュフ。
世界3大珍味の1つ。
トリュフの日本名は、セイヨウショウロ(西洋松露)。
真菌類。セイヨウショウロ科、セイヨウショウロ属、に所属するキノコの総称。
トリュフは、地上に生えるキノコと違って、一生、地下に生えています。成熟してもなかなか地上に顔を出さないので、匂いに敏感な、豚(メス)や犬に見つけてもらいます。
それで、トリュフの仲間のことを、地下で生きる真菌類(キノコ)なので、「地下生菌」(ちかせいきん)と呼んでいます。
チョコレート製のトリュフは、
地下生菌・トリュフの形をまねたもの。
* * *
日本のとある松原。
生えているのはクロマツ。
クロマツ林を歩いていくと・・・
4)
ん? 何やらあります。
ジャガイモか・・・
切ってみましょう。
5)
ショウロ(松露)。
真菌類。ショウロ科、ショウロ属のキノコ。食用、淡いマツタケ風味。地下生菌。
6)
松露饅頭。
松原に生えるショウロの形に似せたもの。
* * *
㊨5)
ところで、
地下生菌のトリュフやショウロは、シイタケのように人工栽培できるのでしょうか?
㊧㊦5)
残念ながらうまくできません。
トリュフもショウロも菌根菌だからです。
樹木とキノコが共生しているので、2者セットで育てなければならないのです。
時間が来ました。
そろそろ、エンディングといきましょう。
このように、トリュフとショウロは見た目や環境がよく似ています。トリュフのことをセイヨウショウロと呼んだりもしています。
では、科学者が遺伝子解析をした結果、トリュフとショウロは遺伝的に近かったと思いますか?
㋐すごく近かった
㋑すごく遠かった
㋒その他( )
㊧㊦5) ㊨㊤7) ㊨㊦8)
ノボリリュウタケが土にもぐってトリュフになり、
アミタケが土にもぐってショウロになりました。
つまり、トリュフとショウロは、元々まったく違うキノコだったのです。
どのくらい違うかというと、動物でたとえると、昆虫と人間くらい違うのです。
では、なぜこれほど違う2つが、同じように丸い形なり、同じように土の中にもぐったのでしょうか?
9)
それは、土の中が安全だからです。
土の中から匂いで誘って、動物に胞子をキノコごと食べてもらい、動物に胞子をまいてもらっているのです。
樹木 → 地下生菌 → 動物
・・・森の生物はつながっている。
トリュフ → 黒いダイヤ
ショウロ → 白い琥珀
・・・森には宝石がそっと埋もれている。
(おしまい)
【出典】
6)宮田の松露饅頭