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SLそれは遠い故郷の風景。
冬を乗り越え、春を迎えに行く。
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SLは蒸気機関車。
石炭で走る。
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石炭は今から3億5000万年~3億年前の地層(石炭紀)からたくさんとれる。
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春、ツクシが顔を出す。
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ツクシはスギナの子。シダ植物。
どちらも地下茎でつながっている。
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それで、ツクシはかわいいけれど、スギナは雑草で、除草が困難となる。
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これは現在の「木生シダ植物」樹高15m。石炭紀には、この仲間のリンボク(樹高40m)などがたくさん生えていて、大森林をつくっていた。
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この巨大シダ植物が完全に分解されずに地中に埋もれ、そこで長いこと地熱や地圧を受け変質して「石炭」となった。
ところがーーー、
石炭紀がすぎると、石炭のとれる量は急激に減ってしまった。。。
これはいったいなぜなのか?
長い間、疑問だった・・・
* * *
それは、石炭紀の終わりに、ニュータイプの「キノコ」が現れたからだったのです。
㊧・㊨㊤01) , ㊨㊦02)
木の繊維は、セルロース(白色)とリグニン(褐色)からできている。
①古いタイプのキノコ
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セルロースしか分解できない褐色腐朽菌(かっしょくふきゅうきん)。
03)
ツガサルノコシカケ㊧、カイメンタケ㊥、キカイガラタケ㊨など硬いキノコ。
04)
褐色のリグニンが残るので「赤ぐされ」する。これが「石炭」の材料となっていた。
②ニュータイプのキノコ
㊧01) , ㊨02)
セルロースとリグニンを完全に分解できる白色腐朽菌(はくしょくふきゅうきん)。
㊧05) , ㊥06) , ㊨07)
シイタケ㊧、ナメコ㊥、マイタケ㊧など柔らかいキノコ。
04)
褐色のリグニンがなくなるので「白ぐされ」する。このあと「土」にかえっていく。
ニュータイプのキノコが木を全部分解して、土にしてしまうので、石炭ができなくなってしまったのです。。。
しかーーーーし ♥ ♥ ♥
ニュータイプキノコは「いいこと」を始めます。
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ダイオキシン、土壌汚染物質の1つ。このダイオキシンの構造が、リグニンに似ていることがわかった。
それなら、ニュータイプキノコを使ってダイオキシンを分解できないか?
現在、リグニンを分解する酵素群を持つニュータイプキノコを使用して、ダイオキシンを分解し、汚染された土壌を浄化することに成功している。
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この技術を「バイオ・レメディエーション」(bio・remediation、生物学的・環境修復)といいます。
ーおしまいー
【出典】
01) Pixabay
02) 日本製紙グループ
03) 三河の植物観察
04) Kagaku to Seibutsu 53(6): 381-388 (2015)
05) Wikipediaシイタケ
06) Wikipediaナメコ
07) Wikipediaマイタケ