みなさん、こんにちは
今年の夏は本当に暑いですね。経験したことのないような暑さを梅雨明け前から感じています。大雨の被害が大きな地域もあり、心配が募ります。
―今月の「庭師の現場から」は、上杉さんです。
今年の10月で入社3年目となる上杉さん、前職は老人施設の厨房で働いておられました。自然が残る地域で育ったことも影響して「自然の中で仕事をしたい」と思い、竹内庭苑に入社しました。
(上杉)
最初の現場は鎌倉山での作業でした。今でもとても印象が強く残っている現場です。道具を持ち、フェンスを乗り越えて山中の現場に向かい、人が立ち入ることのできない区域の草刈りをしました。フェンスの中は狭かったので、草刈りも、刈った草を袋に詰めて持ち帰るのも、引っかかってしまって大変でした。
-初仕事は、まさに自然の中での仕事でしたね。造園というと、個人の方の御宅の庭木の手入れを思い浮かべる方も多いと思いますが、公共の現場での大規模で広範囲な伐採を行うのも造園業の仕事の一つですね。今日も鎌倉での街路樹の剪定だったと聴きました。
(上杉)
刈った草の処理も、大変です。大きな袋に草を詰められるだけ詰め、トラックまで運びます。袋を踏みつぶして、まだ詰められるようなら詰める。自分が持ち上げることができる重さの限度まで詰められれば、トラックまで運ぶ回数を少なくすることができます。大きな袋になるので、細く狭い場所では引っかかってしまって運び出すのが大変なこともあります。
山の中での作業ですと、トラックを現場まで横づけできません。草の袋を持って、山を登ることや下ることもあり、時間もかかります。山は滑ると危険なので注意も必要です。
―山の中の現場は足元の危険や動き辛さもありますね。大変なお仕事ですが、造園の仕事をしてきて良かったことは何かありますか。
(上杉)
厨房での仕事は同じ作業の繰り返しでしたが、造園の仕事は新しいことが多いです。剪定のやり方も色々なやり方がありますが、最終的には同じ形に仕上げて行くっていうのが面白いです。木の上で刈っていても、一度脚立から降りて遠くから確認すると、近くで見ていては分からなかった要らない枝が見えてくることもあります。
道具の使い方を教えてもらい、草刈りができるようになってきたことも嬉しいです。最初の頃は草刈機のチップをどちらにつけたらいいのかも分かりませんでしたので。
―できなかったことが出来るようになるのは嬉しいことですね。草刈りの出来栄えはいかがですか。
(上杉)
一緒に作業を進めていた方に比べて雑な仕上がりだなと、目に見えて分かるときがあります。自分が担当した部分は、ところどころ刈り残しがあります。高さが平らになっていなかったり、ジクザクとトラ柄のようになってしまったり。
草刈機は、刃の向きが大事です。使用時は「半歩進む」と教わったのですが、一気に大股で進んでしまうのも刈り残しの原因だと思います。広い範囲だと、つい大股で進んでしまいますが、半歩進んで大振りで刈る、半歩進んで大振りで刈る、を根気よく繰り返して行かないと、刈り残しが多くなってしまいます。
「経験を積んで、できるようになるしかない。やらないと覚えて行かない。」と、先輩から言われています。
-夏場は草刈りの現場が多いと聴きます。
(上杉)
「この前、刈ったばかりなのに、もう伸びている」と感じるほどに、あっという間に伸びます。排水路は水も十分にあり、日当たりもよく、生育に適した条件が揃っています。放っておくと、どんどん伸びてしまい、道路の通行の邪魔をしてしまうこともあるので、今年の夏も、草刈機を使って草を刈ることが多いと思います。
地被植物(ちひしょくぶつ)の手入れも欠かせません。「ここまで短くすれば大丈夫だろう」と思っても、次に来てみたら「もうここまで伸びている」っていうのがあって、驚きが大きいです。
―理想の職人像や目標を教えてください
(上杉)個人邸を担当する先輩は、一人の現場でも、時間内に終えることができるのがすごいな、と思います。
自分も草刈と剪定、低木の刈り込みができるようになりたいです。低木刈り込みは、今は、浅すぎたり深すぎたり、薄く刈りすぎたりして、刈り込む具合が難しいです。刈り込みすぎると枝が枯れて死んでしまうこともあります。「適度に残さないと枯れてしまう」と聴きます。どれくらいが適度なのかは、これも経験でしか身につけられないので、頑張って行こうと思います。