みなさん、こんにちは。
「庭のお悩み相談」は、普段、お客様の御宅で剪定など定期管理にあっている職人が、庭や庭木に関するお悩みに答えたり、職人ならではの庭の楽しみ方をお伝えしていきます。
今回の担当は松本さんです。
テーマは、前回に続き、庭木の大敵、虫です。今回は「アブラムシ」について。
部長の松本さんから教えてもらいました。

(松本)
前回はカイガラムシでしたが、今回はアブラムシです。
虫の話しが続きますが、虫の被害に頭を悩ますお客さんも多いので、虫を知ってほしいと思い、選びました。

たしかに虫は嫌です。見慣れていない人の方が多いと思うので、「虫がつくから」と木や庭を敬遠する人もいると思います。そのなかでアブラムシです。

(松本)
前回のテーマのカイガラムシは、アブラムシの親戚です。アブラムシはとても有名な虫ですが、身近な分、一番嫌な虫かもしれません。大きさは1ミリ、2ミリほどでゴマくらいの大きさです。緑色のゴマや黒いゴマに、アシとハネが生えたような虫です。指でつぶすと、アブラっぽいです。

生成AIで作成した茎に群がるアブラムシの画像

アブラムシは小学生の理科の授業で知った人も多いのではないでしょうか。菜の花につくのがアブラムシ、という記憶です。実際に見たときは黒いアブラムシでしたが、気持ち悪かったです。

(松本)
寒い時期は、虫はあまり居ません。蚊と同じで、暖かくなってくると増えてきます。ちょうど今頃です。アブラムシは梅の木の新芽にもつきます。4月は暖かくなってきますので、虫が出てくる季節ですね。シラカシの剪定をしようと木に登った時、黒いアブラムシが枝についていて握りつぶすこともありました。黒いのがたくさん手について、ショックでした(苦笑)

アブラムシがついてしまうと、どんな被害がありますか

(松本)
比較的やわらかい部分につく虫です。皮について、養分を口から吸って木を弱らせてしまいます。カイガラムシと同じで、嫌な虫です。他の草花に移って枯らせてしまうこともありますので、現場で見つけた場合は、薬剤散布の処置をする場合もあります。

遠目から見ると茎の表面に黒い粒々が見えます
アブラムシでした

虫が良くないのは、木の養分を皮から吸い取って弱らせてしまうことなんですね。
今までは「虫=気もち悪い!!!見たくない!!!」と思っていましたが、枯らせてしまうことまでは考えていませんでした。

(松本)
虫は光が苦手で、光が当ると逃げます。生い茂ってモサモサして風通しが悪いときも、虫がつきます。陽当たりよくして、風通し良くすることで、虫があまりよりつかなくなる庭になっていきます。定期的に草取りをして庭を楽しんでいただきたいなと思います。

黒いアブラムシも緑のアブラムシも、ウジウジと動いている様子が見た目にどうしても気持ち悪くて、、、庭はきれいだけれど、虫はやっぱり嫌だなぁと思ってしまうのですが、、、、

(松本)
野菜にも虫がつきますね。「絶対に虫がつかない」は無いので、前向きな方向で見ていただけたらと思います。
虫も、アブラムシのような病害虫もいますが、蜂やカマキリやカブトムシも虫です。定期的な管理は病害虫がよりつかない庭に近づけるためでもありますが、虫がつかないようにと手入れをしていくことをキッカケに、お客さんにも庭にもっと興味を持っていただきたいなと思います。
植木も、自分の子供と思って可愛がっていただけたらと思います。同じ樹種でも、同じ木はありません。枝ぶりに違いがありますし、先日も珍しいドウダンつつじを見つけましたが同じ木でも色々な種類があります。

虫がついてしまうのは気もち悪いですが、自分の家の庭の木が弱って枯れてしまうのは、残念なことですよね。枯れてしまったら、後になってどうにもできない寂しさを感じて胸が痛みます。「庭にもっと興味を持とう」と虫が教えてくれるのかもしれませんね。