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どちらもジャックが「豆の木」を登っている絵です。
左は行きで、右は帰りと思われます。なぜかは物語を思い出してね。
この木には、巨大な莢(さや)があることから、マメ科らしいことがわかります。
では、みなさんはこの豆の木は何の木(樹木名)だと思いますか? もちろん「ジャックと豆の木」のモデルとなった木のことです。
コーヒー豆です。
コーヒー豆は、「コーヒーノキ」にできます。
コーヒーノキは、アカネ科コーヒーノキ属の常緑広葉樹。野生種は樹高が10mにもなります。
コーヒーノキの花と実です。実の中に2粒入っている種子がコーヒー豆です。
「コーヒー豆」といっても、マメ科の樹木ではないのです。
ですからコーヒーノキは「ジャックと豆の木」にはなれません。
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アカネ科の樹木には、ほかに「クチナシ」(常緑低木)があります。
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クチナシの花と実です。実が熟しても割れないので、「くちなし」といいます。
コーヒーノキ、クチナシ、どちらの花もジャスミンに似た甘い香りがします。
さて、話を本題に戻しましょう。
マメ科のなかで「ジャックと豆の木」を探します。
沖縄のとある通りです。
ここで巨大な莢(豆果)を見つけました。豆果の全長50cm。
沖縄では街路樹や公園樹としてよく植えられています。
花はどんな形かというと・・・、こうです。
ホウオウボク(鳳凰木)、マメ科ジャケツイバラ亜科の落葉高木。原産はマダガスカル島。樹高は15m。
葉は細かい羽状複葉。花は直径10cmほどの5弁で緋紅色の蝶形花。
花の形が鳳凰(中国の伝説上の鳥)に似ていることからなづけられた。
さやと花は「ジャックと豆の木」に似ていますが、どうやら葉が違うようです。
沖縄にはマメ科の樹木が結構あります。
これはゴールデンシャワー。和名はナンバンサイカチ(南蛮皀莢)、マメ科ジャケツイバラ亜科の落葉樹。インド、スリランカ、ミャンマー原産。樹高は20m、豆果60cm。
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豆果は、まるで巨大なソーセージ。花は黄色い藤のよう。
オウコチョウ(黄胡蝶)、マメ科ジャケツイバラ亜科。樹高5m、豆果10cm。西インド諸島原産。
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豆果は平凡ですが、花がとてつもなく個性的。
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ヨウテイボク(羊蹄木)の花と豆果。マメ科ジャケツイバラ亜科ジャケツイバラ属の常緑高木。樹高10m。豆果30cm。バウヒニア、ソシンカともいわれる。中国南部原産。
花だけ見ると、とてもマメ科には見えませんが、よく見ると蝶形花。花が美しいだけに豆果はちょっと・・・。
葉を羊の蹄(ひづめ)に見立てて「ヨウテイボク」というのでしょうが、私には蝶に見えます。命名、バタフライツリー。
この葉なんか枯れ具合がいい感じで蝶そっくり。
デイゴ(梯梧)、マメ科マメ亜科デイゴ属の落葉高木。インドやマレー半島が原産。樹高10m。
デイゴ~の花が咲き~♪ 沖縄の県花。
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デイゴの花と豆果(30cm)。デイゴもマメ科なのです。
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このように、まだまだマメ科の樹木が沖縄にはたくさんあるのですが、私は、これが「ジャックと豆の木」にかなりイメージが近いのではないかと思っています。
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アップで見ると・・・
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モダマ(藻玉)、マメ科ネムノキ亜科モダマ属のつる性の常緑植物。
世界最大の豆。アフリカからアジアまでの熱帯と亜熱帯のマングローブ林や海岸近くの常緑樹林に生える、つるの直径50cm、ほかの樹木に巻き付いて延々と伸びていきます。
豆果の長さなんと1m!! 幅も10cm!!
超巨大な「さや」なのです。
ですからとても大きな豆がとれ、アクセサリーにもなっています。この豆が海藻のように海を漂い、分布を増やすので「藻玉」と名付けられた。
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モダマの花はこんな感じ。
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しかし、「ジャックと豆の木」は1890年のイギリスの童話。作者はオーストラリア出身の方で、元々は、昔のアングロサクソンの民話を編集したものです。
もう少し世界のマメ科樹木を調べてみましょう。
イナゴマメ(蝗豆)、地中海地方原産、マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木。樹高10m。
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イナゴマメの樹形と花。花は面白い形をしている。
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イナゴマメの豆果と種子。豆のさや、果肉、種子が食用、飼料、食品原料などに利用される。特にさやと果肉が「キャロブ」と呼ばれ、よく使われる。
また、イナゴマメの乾燥種子の重さは0.2 gほどで均一なため、重さの単位「カラット」の語源となったとされる。1カラットのダイヤモンドとか・・・。
イナゴマメも「ジャックと豆の木」のモデルとしては有力です。
そうこうしているうちに、ここでタイムオーバーです。オチといきましょう。
* * *
なんと、「ジャックトマメノキ」という樹木が実際にあったのです。
オーストラリアビーンズ(学名Castanospermum australe)、マメ科マメ亜科カスタノスペルマム属の植物。一属一種。
別名でジャックトマメノキ(ジャックと豆の木)、グリーンジャック、ブラックビーンとも呼ばれる。北東オーストラリア原産の常緑高木である。樹高40m。
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2つをくらべると、かなり似ています。
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「ジャックと豆の木」の作者、ジョセフ・ジェイコブスさんは、オーストラリアのシドニー生まれ。
彼は少年の頃、この高い木に登って、遠くを眺め、思いをはせていたのだろうか・・・。
1854年 生、
1890年 「ジャックと豆の木」出版、
1916年 没。
(おしまい)
【出典リスト】
02) 庭木図鑑植木ペディア
03) 亜熱帯でどんぼ玉作り
04) wikipediaオウコチョウ
05) QJY沖縄植物図鑑
06) おきなわ緑と花のひろば
07) wikipedia Indischer Korallenbaum
09) 石垣島マーメイド
10) wikipediaキャロブ
11) cafnec
12) bambooland