ドングリとドジョウ

ドングリとその殻斗(かくと)です。
ドングリはすべてブナ科の樹木になります。

ですから、ドングリをとりたかったらブナ科の木の下に
行かなくてはなりません。

これらは個人的マニアックに選んだ、2017・マイドングリ・ベスト3です。
ドングリの特徴は、
㊧クヌギ・・・ブナ科コナラ属, 2.5cm大きい。アク抜きしてから食する。
㊥スダジイ・・・ブナ科シイ属, 1.5cm小さい。そのまま炒って食用。
㊨マテバシイ・・・ブナ科マテバシイ属, 2.5cm長い。そのまま炒って食用。

というわけで、今回はドングリの話です。

今、沖縄のホテルでこれを書いています。
残念ながら、海の見えるリゾートではありません。
那覇市内の海の見えないビジネスです。

ところでみなさん、
「沖縄にドングリってあると思いますか?」
これはいいかえれば、
「沖縄にドングリのなる木が生えているか?」と同じ意味になります。
どうぞ、YES, NOでお答えください。

㋐ ある   ㋑ ない    その理由(          )

*        *        *

沖縄好きの私ですが、ずっと長いことそんなこと考えもしませんでした。
頭の中で沖縄とドングリがかけ離れていたからかもしれません。
「沖縄は南国だからヤシの実!」「亜熱帯とドングリは似合わない。」
といったような勝手な理由で・・・。

しかし、その後、私は驚くべき事実を知らされることになったのです。

「なに? え~! 沖縄に日本一大きなドングリがあるって!!」
「それにしても、4cmっていうのは大きいなぁ~」

その名は「オキナワウラジロガシ」漢字で「沖縄裏白樫」と書きます。
先ほどのクヌギでも充分大きいのですが、なんと、その2倍もあるなんて!

では、沖縄のドングリ、いったい何種類くらいあると思いますか?

㋐1~2種類   ㋑5~6種類   ㋒10種類以上

(ヒント)
日本全土では20種類くらい、お隣の台湾でも20種類くらいの
ドングリがあります。

沖縄には、これらに「ウラジロガシ」を加えて6種類のドングリの木が
自生しています。


オキナワウラジロガシ            ウラジロガシ

ここで、6種類のうち沖縄的なドングリ2つを少し補足すると、

㊧イタジイ・・・オキナワジイ(沖縄椎)ともいい、スダジイの亜種とされる。
㊨アマミアラカシ・・・奄美粗樫と書き、アラカシの変種とされる。

ところで、
今回、私がいくら那覇周辺を探しても、ドングリやブナ科の樹木はまったく
見つかりませんでした。。。
公園には、ガジュマルやアコウがうじゃ~と生えているだけです。
裏山の林には、タブなどのクスノキ科の樹木が目立ちます。

そこで、沖縄南部在住の友人にドングリについて聞いてみました。
すると、「ドングリがなっているのをいままで一度も見たことない。」という
恐ろしい答えが返ってくるではないですか。 「そんな~、神奈川の常識が
ここでは非常識になっている!」 いったい、沖縄のドングリはどこにある?

これは沖縄本島の土壌分布図です。
沖縄本島の土壌は、北部・中部の赤い部分、南部のグレーな部分のざっくり
2種類の土壌に分かれています。

沖縄北部はヤンバル(山原)といいます。ヤンバルクイナがいるところですが、
ここはレッドゾーンになっています。
逆に、私が探し歩いた那覇周辺や那覇空港がある南部はグレーゾーンです。
これはいったい何を意味しているのでしょうか?

*        *        *

そろそろ種明かしをしましょう。

レッドゾーンは、非石灰岩質土壌で酸性を示します。
グレーゾーンは、石灰岩質土壌でアルカリ性を示します。

6種類のブナ科の樹木のうち、オキナワウラジロガシ、ウラジロガシ、
オキナワジイ、ウバメガシ、マテバシイの5種がレッドゾーンに生えています。
グレーゾーンに生えているのは、アマミアラカシただ1種だけです。

つまり、ブナ科の樹木は、石灰質土壌・アルカリ性がニガテだったのです。
ドングリは、非石灰質・酸性土壌を探さないと見つかるわけなかったのです。
ほんのわずか生えるアマミアラカシはとても見つけられるものではない・・・。

そう考えてみると、日本列島のほとんどは非石灰質の酸性土壌ということも
あって、ブナ科の樹木にはちょうどいい環境なわけです。
あるデーターによると、最適pH(7中性、7以下酸性)は、
ブナ(5.0~6.7)、クリ(5.0~6.0)(クリもブナ科)となっています。

でも、いったいなぜ沖縄本島は北部と南部がまったくちがう土壌なんでしょう?

最後のオチをいいましょう。

地質的には、北部・ヤンバルはユーラシア大陸にくっついていたとても古い地層
(火成岩や堆積岩などの酸性土壌)で、北から移動してきたものです。
南部・那覇周辺はそのずっと後にこの付近で生まれた南の若い地層(サンゴ礁
などのアルカリ土壌)です。

つまり、もともと違う2つの陸地が合体してできたのが沖縄本島だったのです。

おしまい

【出典リスト】

1、石垣島海辺.COM.

2、ウィキペディア オキナワウラジロガシ

3、西表植物図鑑(樹木編)

4、沖縄海学校 野外活動

5、小さな森のドングリ屋さんのHP

6、沖縄県公式ホームページ

7、沖縄の土壌

8、琉球弧の地質と岩石:沖縄島を例にして