みなさまこんにちは
今年の11月は暖かいなと思っていましたが、季節はゆっくり進んでいますね。街中でも銀杏並木が美しく黄色に色づいています。山々も紅葉の見ごろを迎えています。
紅葉は春の桜と同様に、日本に暮らすわたしたちの日常を美しく彩りますね。
さて、今月のお仕事話しは、まずは、こちらの動画からご覧ください。
初めて見たときの衝撃たるや。驚きました。「伐採」という施工です。
動画は今年の2月の施工現場のものです。
先日、伐採の施工をご依頼いただきました。
今月は「伐採」をテーマに、竹内社長に質問していきます。
-先ほどの動画は、かなりインパクトのある動画でした。大掛かりな施工でしたね。今回、新たにご依頼いただいたのは幼稚園の庭のように見えます。
(竹内)私立幼稚園からご依頼いただきました。園内の【けやき】と【さくら】の木、2本を伐採しました。
2カ所、2本でしたが、1日で終了することができました。
-2本の木、まずは【さくら】について、教えてください。伐採にはそれなりに理由があると思いますが。さくらですと、日本人は特に思い入れもあると思います。幼稚園であれば、春の入園式や卒園式に彩りを与えてくれると思います。
(竹内)そうですね。実際、この園内にも、さくらの木は今回伐採したもの以外にも数本あります。そのため、春のシーズンでは、園の地区の、憩いの場となり、ご近所の方々も楽しまれていたそうです。
-それが、どういった理由で、今回、伐採ということになったのでしょうか。
(竹内)さくらの木は、高さは8m、木の幹の周りは1.7mほどでした。しかし、こちらの木は、塩害の影響で枯れてしまっています。
園児や外の道路を通行される方に倒れてしまう危険もあったため、やむを得ず伐採することになりました。
―そうだったんですね。塩害というのは、海辺の町、ならではの被害でしたね。けやきについてはどうでしょうか。写真を見ると、かなり背の高い巨大な木ですね。
(竹内)けやきは、幹の太さは2メートル、高さは15メートルほどで、幼稚園のシンボルともいえる木です。ただ、写真からも分かるように、あまりにも大きく成長しすぎてしまい、強い風が吹くと倒壊するおそれも出て来ました。
-たしかに、倒れる危険性はあるかもしれませんね。写真からも分かります。
(竹内)また、けやきが落葉樹であることも伐採に至った理由のひとつです。落葉樹なので冬になると葉を落としますが、落ち葉が園庭の建物にたまると、これだけの大きさの木なので落ち葉の量も多くなり、掃除が大変になってしまったということもあります。
-背の高い立派な木は、眺めている分には姿に圧倒され、感動することもありますが、維持するとなると、やはり大変なこともあるのですね。実際の伐採の様子について竹内社長に質問していきます。
-では、実際の伐採の施工工程について、教えてください。先の動画からも、ロープで引く位置やバランスなど、とても緻密な計算が必要なのでは、と思いますが、今回の現場では、どうだったのでしょうか。
(竹内)伐採の現場では、クライマーとグランドワーカーの2チームに分かれ、両者で連携を取りながら進めて行きます。クライマーは木の枝をチェーンソーで伐っていきます。下部の枝から順番に上部の枝へと進みます。
-最初に枝を伐って、スッキリさせていくのですね。動画でも、伐採された木は横に伸びた枝が無くスッキリしていましたね。
(竹内)幹の上部の枝は、あらかじめロープで吊り、その後、チェーンソーで伐り落とします。ロープで吊られているので地上にそのまま落下することはありません。チェーンソーで伐り落としたら、ロープを扱い、下に降ろします。これが「リギング」という作業です。このときは、グランドワーカーという、地上でロープの扱いを担当する者と連携していきます。
-これは、庭や街路樹の枝葉の剪定では、なかなか見られない工程では無いでしょうか。
(竹内)伐採では、樹木の剪定と異なり、葉だけでなく、横に伸びた枝そのものも伐り落とす必要が出て来ます。最終的に幹だけ残して伐採するためです。そのため、リギングが行われます。
-けやきの木は、上に横にと、とても大きく生育していたので、リギングも大掛かりだったのではないでしょうか。
(竹内)そうですね。今回、けやきの枝は大きかったので、吊ロープの他に、介錯ロープも使用して行いました。その後、残った幹を伐採しました。幹は重量があるので、ワイヤーとクレーン車を使用、幹の上部からリギング作業を行いました。幹も枝と同じくチェーンソーで伐採していきます。
-クレーン車を使用するとなると、伐採するには周囲のある程度の広さが必要ということでしょうか。
(竹内)たしかに、倒す場所の広さの余裕が周囲にあれば作業がしやすいです。ですが、斜面や建物に隣接した場所でも、様々な手段や特殊な器具を使って、危険防止をしながら伐採いたします。今回も高所の作業では、作業者はハーネスを着用しています(墜落防止のため)
-ここまでお話しを伺うと、これまでのお仕事話しで取り上げてきた「剪定」や「植栽」とは異なる種類の高度な技術が必要なのでは?と思います。ロープで固定する位置関係や角度など、実際の施工経験が鍵になってくるのでは、と思います。
(竹内)そうですね。経験で磨かれるものは大きいです。後輩は、経験豊富な先輩から指導を受けたり、定期的に勉強会を行い、会社全体で技術を磨いてる最中です